No.26 12 December , 2005
きれいな星空を取り戻そう!!「ライトダウン甲府バレー2005」

山梨県立科学館の松下真人さんから星空環境を守る取り組み「ライトダウン甲府バレー」の報告をいただきました。甲府市の人たちに「光害」に関心を持ってもらう良い機会になったようです。

Ms. Takataからのロンドン便り第8弾では、日本とはちょっと違うロンドンの小学校事情について、現地での体験を通して教えてもらいました。

前号に引き続き、お知らせ欄に平成18年度の科学研究費補助金(奨励研究)についてのページのリンクを載せています。

ライトダウン甲府バレー2005 〜山梨県立科学館〜

山梨県立科学館 松下真人

ライトダウン甲府バレーは国立天文台のスターウィークの関連行事として1999年8月に山梨県立科学館とFM甲府を中心に第1回が開催されました。2002年の第4回までは8月に開催していましたが、天気に恵まれないこともあり第5回(2003)からは10月の第2週に変更となり、今年は2005年10月10日(月・祝)に「第7回 ライトダウン甲府バレー」を実施しましたので報告します。

「ライトダウン甲府バレー2005」のポスター

<ライトダウン甲府バレー>
近年、都市部をはじめその近隣では、降るような星空をながめることができなくなっています。夜道を明るく照らす照明は私たちの暮らしにとってなくてはならないものです。しかし、必要のない照明が多いのも確かです。こうした照明を消して、きれいな星空を取り戻そう!!という運動が「ライトダウン甲府バレー」で、以下の2項目を主な目的としています。

  • 甲府盆地の明かりを消すライトダウンの運動に取り組み、光害の少ない夜空の美しい星空を観望する機会を提供する。
  • この観望を通して現在の夜空の実態を認識し、光害についての理解を深め、よりよい生活環境を考える機会とする。

市民団体や公共団体で組織された「ライトダウン甲府バレー実行委員会」をはじめ、学校・企業・行政が連携し運動を展開しています。今年は200社以上の県内企業、公共団体、そして市民の皆さまの協力を得ることができました。

<ライトダウンプレイベント>
ライトダウンそのものは10月10日(月・祝)でしたが、8日(土)と9日(日)は甲府市中央公民館を会場としてプレイベントも開催しました。移動プラネタリウム投影会や手作り望遠鏡工作、星空写真展を開催し、星空環境への関心を掻き立てる場となりました。

「ライトダウン甲府バレー・プレイベント」のポスター
移動プラネタリウム内部の様子 直径3mのエアドーム
この中でプラネタリウムを投影
手作り望遠鏡教室と星空写真展

<星の輝きにふれる集い>
ライトダウン当日は、科学館(山梨県立科学館)・甲府市芸術の森(星空を守る会)・韮崎銀河鉄道展望公園(ライトダウン韮崎)・笛吹川フルーツ公園(塩山天文同好会)の4ヶ所をメイン会場とし、サテライト会場として甲府市里垣小学校・琢美小学校の2ヶ所で「星の輝きにふれる集い」を開催しました。科学館会場では、観測室までの通路にフローティング・キャンドルを灯し、館内では光害をテーマにしたプラネタリウム番組「星の住める空へ」の投影や、光る星座カード作り、手作りキャンドルの制作などを行い、さらに、「星空へのメッセージ」と題して、来館された方の星空への想いを書いていただき、プレゼントとしてライトダウンピンバッジを配布しました。その他の会場でも天体写真スライドショーの上映等を行いました。

(右の写真)フローティング・キャンドルによるライトアップ(ライトダウンと矛盾してる?)

さまざまな想いが込められた 「星空へのメッセージ」

このメッセージに応えられるように、ライトダウンの活動を広めていきたいと思っています。

蓄光でひかるライトダウン・ピンバッジ

<午後8時のライトダウン> 今年のライトダウン甲府バレー当日は、午前中に雨に降られ、午後も雲に覆われたままでした。午後8時のカウントダウンが始まるも、空は雲に覆われたまま。。。雲は街明かりを反射して明るくなっています。残念ながら星空を眺めることはできませんでしたが、街明かりが消えるにつれて上空の雲も黒さを増し、光害の影響を身にしみて実感することができました。それは、来館された皆さんも同様だったようです。

ライトダウン前の甲府盆地(2004年のもの) ライトダウン後の甲府盆地(2004年のもの)

ロンドン便り 第8弾
ロンドンの小学校事情

ロンドンカレッジ大学 高田淑子

ロンドン滞在で一番困ったのが、小学校3年生になる子供の学校の編入でした。そこで、娘を通した感じたロンドンの小学校事情を今回はお話しします。

公立学校は1クラス30人までで設置クラス数も学校ごとに決まっているため、公立といえども空きがないと入れません。また、これは我々のケースに限らず、もともとのロンドナーであっても、事前に(生後まもなくというケースもあるそうです。が、遅くとも入学時期の半年前には)希望する小学校に入学希望の申請書を提出し入学許可が下りるのを待ちます。あぶれないように複数校申請することもあるようです。各区で配布している公立学校の学校案内をみると、昨年度の募集人数と応募人数や採用基準が記され、人気のある学校は3倍近い倍率です。公立学校は、主に教会系の学校と区が設置した学校に分かれます。一般的には、前者は教会に通っている人を第一優先とし、近くに居住しているか兄弟がすでに通学している生徒を次の候補としています。また、区が設置した学校は、居住区や兄弟の通学が第1優先となるようです。そこで、公立学校であっても人気校とそうでない学校に自ずと分かれ、人気校ではウェイティングリストができ、他の学校に通いながら空きが出るのを待つ生徒もいるようです。義務教育ですから、どこかの学校には必ず入学できますが、しばらく待たされたり、遠かったりといろいろ問題があるようです。日本の保育園事情と類似しています。

また、生徒の人種に偏りもあるようです。私が訪れた小学校は、日本人が2割以上いる学校もありましたし、インド人やスカーフを巻いたイスラム系の生徒の多い学校、アフリカ系、白人系(それも、カトリック系か、英国国教会系かなど)など、居住区の人種構成を反映しているのかもしれません。どちらにしても、人気のないと言われる学校に限って、事務手続きや対応もいい加減で、腹が立つこともしばしばありました。

また、ロンドンには多数の私立もありますが、学費は年間150-400万円と、日本では考えられない金額です。私立の方は入学試験がありますし、各学校で定めるクラス定員を超えるとウェイティングリストにて公立と同じように空きが出るのを待つことになります。 英国の学校は9月から6月までを1年としますので、春休み中で小学校の職員もおらず中途半端な時期に渡英した娘は、小学校の休みあけに5つの公立学校を訪問し、6つの私立学校に電話をしましたが、唯一入学許可をもらえた公立は「3週間後からです」と言われて、さすがに待てず、唯一、明日からO.K.という私立校に受け入れてもらわざるをえませんでした。ここは、幼稚園(2歳半)から小学校(最年長でも14歳)までの幼児教育中心のため、高学年では高校まである学校に生徒が転校していくせいか定員が空いていたようです。ただ、エスカレーター校でないがゆえ、学校の人気保持のため進学に力が入りを入り宿題やお便りも多いです。クラス定員は20名で担任1名、副担任1名です。また、科学、フランス語、体育、コンピュータ、音楽、図工、地理は専任教師がおり、科目担当制になっています。成績表も学期ごと、一科目ごとに、評価と共にB5半分程度の先生のコメントをもらいます。学期期間中にペアレントイブニングという個人面談もあり、教育"サービス"の水準は高いなあと感じます。

英国では、公立私立にかかわらず、小学生まで大人の送迎が義務づけられています。英国人と結婚した日本人女性が、ここでは親は子供の奴隷よ、と言っていたのが印象的です。小学生以下の子供だけでお留守番は法律で禁止されているので、仕事を持つ母親はナニーやチャイルドシッターを雇う場合もあります。日本でも同じかと思いますが、英国では中流階級の人が教育への投資割合が一番多いそうです。「日本に輪をかけた」、「東京と同じような」という形容詞が似合うロンドンの教育事情に、これからの日本の初等教育も文科省の方針が揺るがず全国レベルで確たる教育の行方を目指して欲しいなあと思っています。

授業風景小学校前の登下校風景(親がいつもお迎えをする)

平成18年度科学研究費補助金(奨励研究)の申請締切は来月です

平成18年度の科学研究費補助金(奨励研究)についてのページが公開されています。以下のリンクです。
http://web.jsps.go.jp/j-grantsinaid/11_shourei/

応募受付期間は平成18年1月17日(火)〜1月19日(木)の3日間です。24号に宮城県鶯沢工業高等学校の伊藤芳春先生が概要をわかりやすく説明してくださっているので参考になさってくださいね。

みなさんの活動報告をお待ちしております

みなさんの活動報告を通信に発表してみませんか!引き続き、たくさんの投稿をお待ちしております。

※本ページ内に記載されたリンクは発行時現在の情報です。
連絡先:宮教大インターネット天文台事務局 三澤宇希子 ( メールフォームへ
今までの活用事例を、星空観察ネットの広場(http://www.hosizora.miyakyo-u.ac.jp/)で紹介しています。是非ご覧ください。